『ホロヴィッツらのロシアンピアニズムの正統を受け継ぐ存在』(ショパン誌)
『鍵盤の奇才』(ファンファーレ誌)
『威厳ある存在と解釈の天分に恵まれた驚異のピアニスト』(アメリカ レコードガイド)
『力強く切れのよいタッチ、たっぷりと情緒のこもる表現を聴かせるなど高い水準をいく充実したリサイタルはこのピアニストへの注目をうながすに十分だ』(レコード芸術)
と称賛されたラフィ·ベサリアンの演奏は人を引きつける魅力と情熱によりその国際的な名声を確立した。
ラフィ·ベサリアンは、北米南米、ヨーロッパ、ロシアそしてアジアで演奏活動を繰り広げ、彼の演奏はカーネギーホール、ニューヨーク・マーキンホール、ケネディ―センター、シカゴオーケストラホール、アトランタシンフォニーホール、デトロイトシンフォニーホール、モスクワ・ラフマニノフホール、マリーザール、いずみホール、フェニックスホール、など名声ある会場において喝采を受けてきた。ソリストとしては、アトランタシンフォニー、 ニュージャージーフェスティバル管弦楽団、大阪交響楽団、ヴェニス・キオッジア・フェスティバル管弦楽団、アルメニア・エレバン管弦交響楽団、ロシア・ベルゴロド交響楽団、ウクライナ・ハルコフ交響楽団、モスクワ室内楽団など数々のオーケストラとも共演し聴衆を圧倒してきた。ベサリアンのソロリサイタルは常に各国の国営ラジオ局で放送されており、太平洋両岸でその迫力と詩情豊かな音楽性そして並外れたテクニックは常に高い評価を受けている。
レコーディングに於いては、ソロアルバム「ダンス·ドラマ·デカデンス」(IMC音楽出版)が2012年レコード芸術“準特選”、毎日新聞 “今月の3枚”、東京FMミュージックバードで “今月のベストリリース” に選ばれ全曲が放送され、コーチ·インターナショナル社(ニューヨーク)からリリースされたCD「バッハ=ブゾーニ版 vol.1」についても注目を集めた。更に、ベサリアンはグラミー賞受賞のレコード会社ソノ・ルミナスとの契約を結び、ラフマニノフ、ババジャニアンのソロ作品のアルバム “ザ·リターン” を2015年3月にリリースしナクソス社より配信。ボストン、バーモント、ワシントンDC、ウィスコンシン、シカゴ、シアトル、そしてFMオンタリオ、CBCパブリックラジオなど北米公営ラジオ局で放送され、ニューヨークのクラシックプレミアラジオ局WQXRは「2015年の注目すべき新リリース」として特集した。2021年にリリースの「ザ・サウンド・オブ・ブラック&ホワイト」は、米アップル社のクラシック・ミュージックカテゴリーで6つのプレイリストに抜選された他、音楽サイト「ネイティブDSD」の“今年の最優秀アルバム” に選ばれ「ベサリアンは並外れたピアニストである。その優れた確かな演奏の中でも “エンブレイサブル·ユー” 、“ラプソディー·イン·ブルー” そして “剣の舞”は殊に圧巻であり、まさに惹きつけられる壮大な演奏である。ソノ·ルミナスのカタログにこのスーパーレコーディングと言えるベサリアンのCDが追加されたことは実に喜ばしい!」と評するなど、数々の国際的著名な出版物に掲載された。
楽譜出版に於いては長年絶盤であった母国アルメニアの著名な作曲家エドヴァルド·バグダサリアンの作品「24のプレリュード」の校訂編集をし、ミューズ·プレス社より出版されている。
アルメニア、エレバン生まれ。旧ソ連の特別英才児のためのチャイコフスキー音楽学校で学んだ後、エレバン·コミタス音楽大学で博士号を取得。更にアメリカのローワン大学およびニューヨーク·マンハッタン音楽大学で学位を取得。セルゲイ·ベルセギアン、巨匠バイロン·ジャニスに師事。更に彼はモスクワ国立音楽院においてアレクセイ·ナセドキン、ヴィクター·メルジァノフ、ナウム·シュタルクマンに師事し研鑽を積む。
ベサリアンはジョセフ·ホフマン国際コンクール、ニューヨーク フリンナ·アーバーバック国際コンクール、 アーティスト国際コンクール、MTNAナショナルコンクール などで数々のトッププライズを受賞している。
教育者としてベサリアンは彼が勤勉かつ熱心に生徒たちへ与えたインスピレーションと、音楽教育において彼の献身的努力を認められ名誉あるスタインウェイ社による「2019年・トップ·ティーチャー賞」を受賞。そして、
2020年と2021年に彼の音楽研究と演奏活動において「卓越した教授賞」をジョージア州立大学より受賞。
ベサリアンはゲストアーティストや講師として、フランスのキャップ·フェレット国際音楽祭、イタリア・ヴェニス・ラグーナ·ムジカ音楽祭、アメリカ・ローワン国際音楽祭、ギリシャ・アナトリア·カレッジ国際サマーミュージックプログラム、コロンビア・イバゲ国際音楽祭に頻繁に招聘されている。日本にも長年訪れ、コンサートやマスタークラス、そしてPTNAコンクール、大阪国際音楽コンクール、ショパン国際コンクール·イン·アジアなどの審査員を務め、2022年より家族と共に日本に在住。
ニュージャージー州ローワン大学音楽学部教授、ウイスコンシン州立大学音楽学部教授、ジョージア州立大学アトランタ校音楽学部教授を歴任し、2024年より同志社女子大学音楽学科で特任教授を勤める。